曖昧な関係。



あれから、一週間がたった。

多分、まだバレてないはず。

誰にも、言われてないし。


今日から、仮入部だ。

女子は13人、男子は8人。

まぁ、妥当だろう。

ここから、辞める子もいるだろうし。

本入部が決まるまで、絶対に蒼と桜汰は1年の前に現れない。

仮に、現れてから他の1年が入部したいと言っても、受理しないように顧問に言ってある。

よっぽどの理由がない限りは。

「じゃあ、自己紹介したいと思います。弓道部部長の神崎葵です。
3年はあと少しで引退ですが、よろしくお願いします。」

まず、アタシが挨拶して、他の3年、2年、1年が自己紹介をした。

最後に顧問。

「あー、3年の担任をしている、一条だ。
よろしくな。
1年は、キツイけど頑張れよ。」

意味ありげに、ニッと笑う。

一条先生は、アタシたちのクラスの担任だ。

だから、蒼と桜汰目的の女子が多いことを理解してくれる。


顔合わせが終わったので、先生は出て行った。

ここからが、本題だ。

「1年は、副部長がいないと思ったかもしれないけど、一応います。
副部長は、如月蒼。
あとは、久世桜汰も部員です。」

ザワザワと、その場がうるさくなる。

1年女子が、喋っているのだ。


「そこ、うるさい。
話を最後まで聞けよ。」

え?とその場が一気に静かになった。

アタシは、身長が低いのと童顔のせいで、よく誤解される。

もちろん、初対面には素を出さないけど。

今のうちに、言っとくのが楽だ。

素を知っている、3年と2年がニヤニヤと笑っている。


「お前らも黙れよ。
蒼と桜汰は、基本部活に来ません。
アイツら目的なら、辞めることを進めます。
以上。」

じゃあ、部活をはじめます。と皆に声をかけた。
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