曖昧な関係。

ーガチャ

「ただいまー。」

「おかえり。」

なぜか葵は大きな買い物袋を持って帰って来た。

じーっと袋を見ていたら、

「ん?」

葵と目が合った。

「何買ってきたの?」

オレがそう言うと葵は明らかに動揺した。

「え?
‥ひみつ。」

は?

ひみつってなんだよ。

「おい、教えろよ。
お前はオレのパシリだろ?」

ニヤッと笑う。

あ、今絶対悪い顔してる。笑

「‥浴衣。」

「は?」

「だから、六花と浴衣買いに行ってたの!」

マジで!?

花火大会のために新しい浴衣買ったの?

「「‥。」」

「見せて。」

「え、やだ。」

はい、オレのハートにヒビ入ったー。

「恥ずかしいもん。」

うわ、デレやがった。

「じゃあ、花火大会の日は絶対着ろよ?」

「‥うん。」

この空気耐えらんねー!

「そこの二人、イチャイチャしないでよ。」

「葵姉もお兄ちゃんも顔、真っ赤だし。」


「は、ハァ?
お前らふざけんなよ!」

「そ、そうだよ。
顔が赤いのは暑いだけだし!」

「「へー。」」

翠も碧もニヤニヤしてこっち見てくる。

すげー、殴りたい。

「皆、ご飯よー。」

どうやって仕返ししようか考えていたら、
あやめさんがオレらを呼んだ。

ちっ。

特に翠、後で覚えとけよ。



明日から夏休み。

そして、来週からは英語特別補習‥。


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