逃亡



道々、ウィンドウに服を写して確認する。

彼が似合うと言ったマキシ丈のスカート。
淡い色のカットソーにカーディガン。
全部彼好み。

ウィンドウ越しに、道行く他人と目があった。

にやけた顔を然り気無く反らして、ポケットのスマホを開いた。



浮かれてた。


彼に浮気に何度も泣かされていたのに。


信じてたんだ、

本当に。

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