逃亡

ー3



家には帰れない。

彼は合鍵を持ってるし、二人に会うのは絶対に嫌だった。

彼の私物が置かれたあの部屋に、入ることさえ無理。



ロッカーに押し込んだバックを取り出し、違う電車に乗り込んだ。





二泊三日分の着替えもお金も持っている。

『お土産、奮発するからね。』

昨日、そう話してたのに……

汚い。

酷いよ。



いつから?

全然気づかなかった…

何でも話してたのに…




汚い。


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