僕の、うさぎさん。


…きっとさのひなこのことを考えすぎて、幻覚を見てしまったのだろう。


ホントキモいな俺…


松下さんを送り届け、家に帰っていると、淳平から電話が来た。


「もしもし」


『真白!今日の委員会どうだった?』



淳平の声のトーンがいつもより高い。


…これは淳平、いいことあったな。


「何もできなかったよ…話題もふれなくて。お前は?」


今日のこと思い出すだけでため息がでる。


さのひなこと仲良くなるチャンスだったのに…


『俺、前から舞ちゃんのことリサーチしててさ。舞ちゃんの好きなバンドが、今度映画に出るらしいんだよ。そんで映画に誘ったら、OKしてくれた!!超サイコーーー!!』


すげぇ……淳平、グイグイいくな…。


「よかったじゃん!頑張れよ!!」


淳平には、幸せになってほしいな。


『おう!ありがとよ!っつか、お前まだ帰ってねーの?』


「うん。松下さん送って、今帰ってるところ」
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