続》スウィートレッスン

「さっき オレが言ったこと、冗談じゃねぇぞ」


グラスから垂れていく水滴に指で触れながら、篤人がまた言葉を続けた。


「お前に聞けなかったけど、大地って…誰にも心の中を見せないヤツなのかな?…ってずっと思ってたんだ」


「…………」


「お前が笑っていても、本当に楽しんでるのかすら オレにはわからなかった。一緒にいるのに、それって…寂しくね?」


いつもノー天気なお前が そんなことを考えてたなんて、今日の今まで 全然 気がつかなかった。
< 174 / 408 >

この作品をシェア

pagetop