だから雨は嫌いだ
「煙草、ラス1だ。」
山本かなえ、23歳フリーター。夢はないからフリーターとも言えないかもしれない。あえて言うなら『嫁に行く』が夢のフリーターである。
バスタブに腰かけて最後の1本を深々と吸った。タールは1ミリ、でも必ずメンソール入りを買う。メンソールが入ってなきゃこの肺は満足しない。スッと抜けるメンソールに快感を覚えながら今日1日を振り返った。つまらない1日、ただただいつもと変わらない日常だった。
煙草をフィルター付近まで吸ったことに気付いて煙草を消した。ブレイクタイムは終わり。深夜3時を指した時計を見てベッドへ移動した。なんもない毎日に慣れたものだった。波瀾万丈と呼ばれた私の人生はどうやら終わったらしい。
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