サヨウナラ(アイシテルside祐)



俺は何も答えることなく二階へと駆け上がった。



父さんと母さんの顔を見るたびにあの日のことを思い出す。



忘れてしまいたいのに、あの哀れんだ瞳が俺をあの日に引きずりかえすんだ。



もうやめてくれ……



頭を抱えて蹲っていると窓ガラスに何か当たった音がした。


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