月の恋

-曇-



はあ……



コツ、コツ、コツ、コツ…




私はマコとわかれて、1人職員室にむかっている。



マコは優しい。
昔から、何より私を優先してくれたし、守ってくれた、


でも、時々強引で、ハラハラさせられる。
マコといて、私は少しずつ寿命が縮んでいそうだ…。
しかも、そんなビビりな私を見て、楽しんでいるからたちが悪い。



ふと、さっきのキスを思い出して顔が熱くなる。
そして直後に青ざめる



ナゼって、うちの学校は、恋愛厳禁だから。
今時なかなかない古くさーい校則。
だけど、馬鹿にできない。もし、見つかったりすれば、停学とか…酷い場合退学…。


いくらなんでもやりすぎ、
たぶん院長以外はみんなそう思ってるはず。だけど石頭の院長は、よっぽど強く頭でもぶつけない限り、考えを変えたりしないだろう。


だから、校内で恋人同士が過ごすことなんて絶ッ対ありえない。
みんなビクビクしてるんだもん。



なのに、マコときたら、抱きしめるのみならず、き、キスまでっ


もし、誰かに見られたり、告げ口されたら大変だ…。


本当に、考えてないんだか、お気楽なんだか…。



はぁ…


先が思いやられる…。








数え切れないため息をついているうちに、職員室に着いた。


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