変わり者同盟
第4章

変わったモノ





―――翌日の朝、教室のドアを開ける前に私は少し深呼吸をした。



学校自体は、クラス自体は、何も変わってなんてないけれど。

おそらく、周りの私達への認識も、変わってなんてないんだろうけれど。


私の気持ちは、変わった。


そして、たぶん・・・・・・菜子ちゃんと美沙ちゃんの気持ちも、変わったんだと思う。

すももちゃんは、あまりよく分からないんだけど。


でも、私達の中で何かが変わったんだと・・・断言できるよ。



だから、少し、気持ちを静めるために深呼吸をした。

変わらない空気。
変わらない教室。

変化は、目には見えないけれど・・・
でも、今私、全てのモノを愛おしく感じるよ。


そして、私は思わず緩む頬を意識しながらも、ドアを開けた。


―――すると。



「冬香~~~一大事だよぉーーーーー!!!!!」

「ひゃっ!?」


菜子ちゃんが叫びながら私に抱きついてきて、私は思わずよろけてしまった。

菜子ちゃん、勢いよすぎだよ・・・。


「コラッ!菜子、ちょっと落ち着きなさい!」

ぱこん、と、美沙ちゃんが丸めた古文の教科書で菜子ちゃんの頭を叩く。


「美沙、ヒドイ!!!地味に痛いんだからね、それ!!!」

「はいはい。
それより、冬香、ごめんね。菜子、ちょっと今退化してお猿さん状態だから・・・。」

「あたしは人間だっ!!!退化なんてしてなぁーいっ!!!」

菜子ちゃんがすかさず叫んだ。



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