変わり者同盟
え、ど、どうしよう・・・・・・

あわあわしていれば、クロがどこからか帰ってきて――久流君の顔面に着地した。


え、そこに着地しちゃうの?


「んー・・・・・・」

驚いていると、久流君が身動きし、目を開けた。


「なんか違和感あると思ったら、なんだ、クロか。」

久流君は実に平静。


クロはばさっと久流君の顔面から飛び上がり、久流君は、地面から起き上がってあくびをした。

「ふわぁ~。
クロが俺を起こしたってことは、比佐乃、食べ終わったんだよな?」

「う、うん。」


久流君の言葉に、咄嗟に頷く。

もしかしなくても、クロは久流君を起こすためにわざと久流君の顔面に着地したのかな・・・?


久流君の言葉からふとそんなふうに思っていると、クロはまた久流君の腕に乗っていた。


「じゃ、比佐乃。行くか。」


久流君はそれだけ言い、腕にクロを乗せたまま、スタスタと歩き出した。

私は慌てて久流君を追う。


「あの、一体どこに行くんですか?」

「とりあえず、事務室。事務の大河内(オオコウチ)さんは確か、けっこう前からこの学校にいるみたいだから。」

「あぁ、あの、小さい眼鏡かけてて、痩せてる方ですか。」


事務の大河内さんは、確かけっこうなお歳の女の人だったはず。

ギロッと、少し・・・というかかなり、目つきが悪くて怖いって有名な。


「そうそう。けど、比佐乃。」

「はい?」

「敬語になってる。」

「・・・・・・すみません。」



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