変わり者同盟
「直感、ねぇ・・・。」

「そもそも、じいちゃんの話し方から、気付かない人の方がおかしいと思います。」

「・・・・・・あぁ、まぁ、確かにあの人は分かりやすいからね。
けど、だからってなんであたしにお鉢が回ってくるんだい。」


恨めしそうに呟く大河内さんに向かって、久流君が極上のスマイルを見せた。

「俺には“知る権利”があるんです。教えていただけますよね?」

「あぁ、もう、分かったよ。降参だ降参。あたしの負けだよ。教えてやるさ。」

「ありがとうございます。」

「はいはい。で、あんたの彼女・・・じゃなくて、友達?は、どうするんだ。
そもそも“本当の裏庭”について知ってるのかい?」

大河内さんは私を指差して言う。


え、わ、私?どうするべきなんだろう・・・。
プライベートな感じがするし、出た方がいいのかなぁ・・・。

でも、それじゃあ私が来た意味って――


「比佐乃は“本当の裏庭”について知ってますよ。俺が教えましたから。
それで、ここにいてもらいます。」


・・・・・・え・・・

「いいの?」

「あぁ。ここまで来てもらって、帰らすのもどうかと思うし・・・。
それに、ちゃんと俺のこと知ってほしいから。」


真っ直ぐな視線と、率直な言葉。

『ちゃんと俺のこと知ってほしいから。』

それは、同盟を結んだからだよね?でも、なんで、いきなり・・・


「もしかしたら、俺に嫌悪感抱くかもしれない。

そうしたら、遠慮なく俺から離れていいから。つか、離れて。

俺、“そういうこと”で嫌悪感抱く奴とは、絶対仲良くなれないから。」


淡々と紡がれた言葉に、私は目を見開いた。

何、それ・・・。

まるで、これから聞かされることは全て分かっている、とでもいうような口調。


「ハァ・・・さすが、学年1位の秀才。すでに、ほとんど察しているんだろう。」



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