変わり者同盟
婚約者がすでにいたのに。


私の中は彼でいっぱいで。




お腹の中に子供ができたと知ったとき。


それは彼の子供だと分かったとき。



私の全てを投げ打ってでも、産みたいと、強く思った。




私の願いを聞き入れてくれた彼は、私の父親にも、婚約者にも、一緒に謝った。


けれど、私が彼の両親に謝れば、彼の両親は静かに首を振った。


『いいんだ。あいつを、大切に思ってくれたなら。

あいつが、幸せだって思えたなら。』


『あの子が笑ってくれたなら、別にいいのよ。

ただし、子供は私達にも見せてちょうだいね。』



優しい瞳だった。

温かくて、澄んでいた。



私はただただ、頷くことしかできなかった。


やっぱり、彼の両親だって、思った。









―――そして。




彼はいなくなり、数ヵ月後には、和真が生まれた。


私の婚約者は、私と一緒に和真を育てると言ってくれた。



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