変わり者同盟
「・・・・・・今までごめん、冬香。」

菜子ちゃんが、静かに言った。


「私も、ごめんね、冬香。」

美沙ちゃんも、静かに言う。


そして、顔を上げた二人は、唇を噛み締めていた。

「あたし、ちょっと、楽しいって思っちゃったんだ・・・。本当に、ごめん、冬香。」

「私も、少し、楽しんじゃったわ・・・ごめんなさい、冬香。」


そして、そろって私を見上げ、真剣な面持ちで必死に言う。

「「すもものこと、許してあげて!!!」」


「勝手な言い分だって分かってる。けど、すもも、根はいい奴なんだ。
その、諸事情があってヒドイことしちゃったけど・・・」


「すももだって反省してる。冬香に悪かったって思ってるし、たぶん自己嫌悪なんかもしてると思う。

いつかきっと謝るとは思うから、すもものこと、許してあげて!」


真っ直ぐな、真っ直ぐすぎる瞳に、胸がぐっと詰まった。


・・・そっか・・・・・・そうだった・・・友達、って、こういう繋がりのことをいうんだった・・・・・・。

相手のために、必死になれる繋がりのことをいうんだった・・・。


忘れていたことがハッキリと心に浮かべば、私は頷く以外に、できることがなかった。

「うん・・・いいよ・・・・・・。」


すももちゃんが、菜子ちゃんが、美沙ちゃんが、羨ましい。

私も・・・本当は、3人と、そういうふうな繋がりを持ちたかった・・・。


「ありがとー冬香ぁ!」

寂しいような切ないような思いに囚われていたら、菜子ちゃんが抱きついてきた。


え、え、え、え、え、え、え!?

あまりのことに体を硬直させれば、菜子ちゃんが抱きつく腕の力を強めた。


「冬香、ありがとうありがとうありがとう!
すももの気持ちの整理がついたら、今度は友達になろう!」



< 99 / 140 >

この作品をシェア

pagetop