親友ストラップ
次の日。
一緒に登校した梨佳と私はすぐに異変に気づいた。
私たちが昇降口に着いた途端、ザワザワしていた周りがシン…となる。
ふたたび騒がしくなるが、あきらかに軽蔑のまなざしが混ざっている。
「…なんだろね……?」
「うん…」
不思議に思いながらも靴箱のフタを開ける。
「・・・え・・・」
?梨佳の様子がおかしい。
「ん?梨佳、どうし・・・っなにこれ!?」
梨佳の上靴は汚され、落書きがしてあった。
『死ね』『ブス』『消えろ』
他にもひどい言葉が書いてあった。
「ひどい…誰がこんなことを…?大丈夫?梨佳?」
梨佳は一瞬悲しそうな目をした後、すぐ笑顔になって、
「…だっ大丈夫だよ!こんなのきっと誰かのイタズラだよ!」
「…そうかな……?」
私はどうしてもこれがただのいたずらだとは思えなかった。
「あ、私ちょっとトイレ行ってくるね!」
「うん、わかった。じゃ、教室でね~」
そして、私はひとりで教室に向かう。
ガラッ
教室に入ると、皆が一斉に振り向いた。
「え…なに……?」
「あ、なんだ…高梨さんか…」
?なんだろう……
中心には紺野美里亜がいた。
嫌な予感…
「ちょうど良かった。高梨さん、ちょっとお願いがあるんだけど・・・」
「・・・・!?」


ガラッ
「おはよー!」
シン・・・
「?・・・あ、美優、おはよー」
梨佳が話しかけてきたけど、私は無言で教室から駆け出した。
「え・・・」


『高梨さん、今日から橘梨佳を無視してほしいの』
『え・・・』
『なに?なんか文句あるの?』
『・・・っいえ、ありません・・・』
『そう。じゃ、よろしくね~』
そう言って、紺野美里亜はとりまきと共に教室を出て行った。
他の皆も同じことを言われたらしく、それぞれの席でうつむいていた。
そこに梨佳が入ってきたのだ。


「待って!」
誰かに手をつかまれる
振り返ると、息をきらした梨佳がいた。
「ハァ・・・どうしたの、美優?」
「!・・・はなしてっ」
強引に手をふりほどくと走り出した。
「ちょっ・・・待ってよ、美優!!」

私、最低だ・・・。
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