シロツメクサ~はかない恋の物語~
*過去~晃大side

『前、いきなり逃げ出してごめんね。もう一回話させて、ちゃんと振る理由教えてよ。』

真理菜、まだこんな最低な俺の事好きなのか?

なんでだよ、忘れてくれよ。

『わかった。』




「おう、久しぶりだな。俺が振ったのは好きじゃないからだ。それだけだ。」

「本当に?麻衣から聞いたの。晃大が暗いって。本当の理由なに?教えてよ……」

雄樹言ったんだな。
これは逃げるなってことだよな、言うべきだよな。

「…………俺さ、元カノのこと忘れられなくて、それでお前を使ってたってゆーか、お前で忘れようとしてた。でも、いつの間にか好きになってたんだよ。」

「なら、付き合ってよ。別に忘れようとして使っててももういいから。ね、付き合ってよ。」

「ダメなんだよ、前病院に行ったんだ。そしたら、俺さ記憶のなくなる病気だったんだ。だから、お前とは付き合えない。」

あ、俺言っちゃったよ。これでいいんだよな。

「……晃大。辛かったね、大変だったね。一人で抱え込まないで言ってよ。私、支えるよ?」
え、真理菜。今……

「俺、いつお前のこと忘れるかわかんねーよ?」

「それでもいいの。」
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