This is us -2


俺の腕の中で静かに寝息を立てるさとりを、暫く見つめていた。

時々、にゃふにゃと寝言を言っている。

今日はたくさん歩き回って疲れたのだろう。

お風呂に入った後、すぐに眠りに落ちた。


俺もそのうち瞼が重くなって、いつの間にか寝ていて。


「あ、おはよう…」

目が覚めて、彼女が優しく微笑んだ。

それだけで、ただそれだけの事で胸がいっぱいになる。


「…なんか、不思議だな」

「うん、起きてすぐ結城くんがいるなんて幸せ」



一緒に住んだら、毎日こんな感じなのだろうか…

なんて妄想が膨らむ。


「こんなにずっと一緒だと、帰るの辛くなっちゃうな…」


「またすぐ会えるだろ」


「まぁそうだけど、楽しい時間は本当あっという間だね!」


そう言って俺の腕に抱きつくさとりの髪をそっと撫でた。

どうしてだろう。

不安に思うことなんて、何ひとつないハズなのに。


突然胸の奥が、ざわざわと鳴った。



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