This is us -2
左手の薬指に、はめられた指輪。
小さなダイヤモンドが光っていて。
結城くんの胸に飛び込んだ。
懐かしい香水の匂いがする。
「さとり…」
「れ…蓮…」
彼がふんわりとやわらかく笑う。
「指輪の内側、見て」
私は一度指輪を外して、言われたまま内側を見る。
『This is us』
何気なくあの時ノートの端に書いた落書きを思い出す。
こんな風に、手を繋ぎ歩いていこう。
「蓮、ありがと!!」
あの頃…僕達はまだ大人になる途中だった。
青い空の下で笑い合い、
駆け抜けた青春の日々。
僕は君と一つの恋を覚えた。
あの時はもう二度と戻ってはこないけれど、
ずっとずっと…忘れない
『This is us』
END
.