恋の扉を開けて
「専務、支度できました。」

俺は彼女を見つめて眉間にシワを寄せた。

さっきまでは普通だったがコスチュームだと丸っ切り別人だった。

俺にはどうすることもできない。

「専務、どこか変ですか?」

「いや、後ろを向いてみろ。」

「はい。」

俺は頭を横に振った。

「変ですか?」

「いや、もういいよ。行って構わない。」

「はい、失礼します。」

ルリルは店で好評だった。

若いサラリーマンを相手にキャラに成りきっていた。

もしかしたらキャラでいることが彼女にとっては普通なのか。

信じられない。

現実逃避もはなはだしい。

俺はサラをオフィスへ呼んだ。

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