∞妄想世界∞
「だだだだだ大樹くんっ?
ば、バイトはっ?」
慌てて聞いてみるものの、大樹くんは振り返りもせず、
「ちゃんと加藤先輩の奥さんにも許可得てきましたから」
そう答えてくれたんだけど。
「やっ。でもっ」
まだ口を挟もうとした瞬間。
繋いだ右手が、少し痛いくらいぎゅっと握りしめられて。
「いいから。黙って」
大樹くんはそう言って、私を彼の車まで案内してくれて、そのまま助手席のドアを開けたかと思えば、「とりあえず、寒いから。乗ってください」と乗車を促してくれた。