約束は森の中~導かれて~
 怪訝そうな顔をしながらも、
 青年も小指を出しました。

 その指に自分の指を絡めると、
 歌うように、
 調子を合わせて手を振ります。

「ゆびきりげんまん、
 うそついたら、
 千本のーます。指切った」


 それから、指を切るように
 手をはらいました。

 青年は何をされたのかわからずに、
 自分の小指を見つめます。

 すごく物騒なことを
 聞いたような気もします。


「針? 千本? 飲む?」




 ぶつぶつとつぶやきます。

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