はるこの遅咲☆妄想日記
「かおる・・・なんかあった?」

「いや・・・変わりないよ」

平日の昼間のファミレスは私たちの定番だった。

「好きなもの食べな」彼は相変わらず逢うと優しさ全開で接してくれて

この心地よさが好きなのかな・・・。

「こないだ・・・メールの内容、ビックリしたよ」

「ごめん・・・。だって、かおるの彼が俺の気持ちをあおったんだよ」

「そかな・・・?」

不倫の彼は既婚者で

連絡もあまりくれないし

束縛しないっていうか

あんまり干渉しない男。

だから今まで、私が他の男と寝たって

あまり怒らなかった。

でも、最近、家庭でもうまくいってないみたいで

いよいよ・・・「頼れるのはおまえしかいない」って

「俺以外とするな!」まで言い出して

久々に、ってか付き合って4年目にして初めての束縛。

だから今更、浮気禁止されても

「じゃあ、この人とどうしよう?」ってなってて・・・

美味しそうにご飯を食べる彼。

「もう、こうやって逢っちゃいけないのかな・・・」私は彼のこと、まっすぐ見れなかった。

彼はバツイチさん(40歳)で今は独身。

彼女もいなくって、今は私だけて言ってる。

私にとって手頃な男だったのにな・・・。

「彼、良かったね。やっとかおるのこと真剣になってくれて」

「うん・・・」

気を使ってくれる彼、本当に優しいんだから・・・。

でも、やっぱりなんか違う。

食後のドライブはなんだか気が重かったな。

私にはどうしても、ひとつだけ確かめたいことがあって・・・

この優しさの本当の意味。

聞くなら今かな・・・?

私は何気なく

彼に切り出した。

「あの・・・」

彼も待ってたかのように

車を駐車して

じっと私の顔を見つめていた。

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