*約束期限*
*真衣side*


教室に着くと、あたしは真っ先に自分の机に顔を伏せた。


「あれ、涼介は~?」


あたしの元ににやにやと笑みを浮かべた美月が近寄ってくる。

絶対、桜庭くんのこと聞いてくる・・・。


「あたし、なんかしたかなぁ」

「誰に?」

「涼介に」


すると、待ってましたというような顔を見せた。

こ、怖い!


「ん~、涼介も切ないねぇ」

「どういう意味?」

「いろんな意味」


にこっと笑った。

美月がなにかを知ってることは違いない。

けどそれ以前に・・・


「好きな人の話なのに、表情いっつも変わんないよね」


ずっと気になってた。

あたしが涼介も話題を切り出しても、普通に話すし。

友達が自分の好きな人の話題すると、普通は顔色変わるのに。



「ん?だって、今は二人・・・ってか三人見てる方が楽しいし。真衣のこと信じてるし?それに・・・」

「それに?」

「あたしの彼氏は涼介じゃないしっ」


ガクッと体を傾かせる。

でも見えた。最後の一言に目が曇ったこと。
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