*約束期限*

*真衣side*


「まだ時間あるよね――。よし、見に行こっか!」

「え、なにを!?」

「いいから~♪」


そう言って連れてこられたのは、ギャラリーの多く集まる中庭。

な、なにがあるんだろ・・・。


「フレー、フレー、白組!」


・・・あ。

応援団の、練習だ。

体育着を着た男子が見える。


「どうよ、久しぶりの桜庭くんは」

「え、まだ見れてないし・・・」


人多すぎで、合間合間にしか人が見れない。

ジャンプやなんらしてた時。

ぱっと目の前の視界が開けた。

その先に――


「桜庭くん・・・」


呟いてみると、桜庭くんがこっとを振り返った。

目が合って。微笑んでくれた。

すぐに笑い返そうとした――


「ね、今目ぇあった!」

「にこってされたよーっ!」

「やばい♡」


・・・あ。

あたしにじゃ、ないのかな。


あたしは真後ろにUターンして、教室に向かった。


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