*約束期限*

*涼介side*


「…瞬、ちょっといいか?」


朝練が始まる前、俺は瞬を連れ出した。

もうすぐ期末期間に入るから、部停になる。

その前に…。


「なに?」

「この前の、体育祭の。あの女って、誰?」

「えっ?あー…」


直接的に聞くと、瞬は困ったような表情をした。


「よくわかんない」

「は?」

「彼女じゃない。けど、家族と同じくらい大事な人?」


苦笑いをこちらに見せる。

なんなんだよ、曖昧な答えしやがって。


「…真衣にその気がないなら、近づかないでくんね?」

「なんで涼介にそんなこと」

「真衣も一緒に見てたから」


明らかすぎる表情をする。

俺は瞬に背を向けて。


「真衣傷つけるんなら、近寄んな」


俺、こんな性格悪かったっけ…。

でも、同情とかできる余裕ねーし。




好きってそーゆーことだろ。




< 50 / 124 >

この作品をシェア

pagetop