ご懐妊‼ 新装版
ああ、何時間経っただろう。

お産がこれほど苦しいとは。

今、実感を持って言える。
痛くて痛くて頭がおかしくなりそう。

お腹がおしもが腰がかち割れそうに痛い。
でっかい鬼が素手で私の下半身を叩き割ろうとしてるって感じ。
内蔵まで全部痛い。


21時過ぎに両親が病院に到着した。
でも、顔を見ても喋る余裕が無かった。
部長が応対してくれ、おののく父と訳知り顔でガッツポーズを見せる母を連れ、病室に案内してくれた。


「ううー、きたー、痛いーっ!」


飛んで戻ってきた部長が手を握ってくれる。
マッサージは時田さんに任せ、私の汗を拭いたり、水分を取ってくれたり、こうして手を握って陣痛の波を支えてくれる。


< 440 / 499 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop