シャッフル
「紗代里。すまない遅くなって」

「ううん。私も今来たから」

 日曜日の昼下り、オープンカフェで二人でお茶をしないかと紗代里から連絡があった。

 あのバーで会って以来、俺と紗代里はよく二人で会うようになっていた。

 気さくで話しやすい紗代里は俺の唯一の女友達だ。

 そしてたまに彼女の家でピアノを聴かせて貰う事が何よりの楽しみでもあった。

「急にごめんね。なんか外でお茶したくなったんだけど、一人じゃ寂しくて」

「俺を都合よく使わないでくれ」

「へへ。ごめんごめん。でも来てくれてありがとう」

 紗代里はそう言いながら笑った。

 
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