シャッフル
「でも……本当にピアノが良くて好きになったの?この人が綺麗だから好きになったんじゃないの?」

 ジトッと疑う様な目で笑いながら紗代里が言う。

「え?彼女綺麗の分類なのか?それなら紗代里の方が断然綺麗だろ」

「えっ!?」

 驚いて俺を見る紗代里を横目でニヤリと笑うと何かを察したのか。

「からかったわね!もう!」

 と、顔を赤らめて運転する俺の左肩をバシッと叩いた。

「ハハ。怒るなよ」

「怒らせないでよ」

「嘘じゃない。紗代里は綺麗だよ。……たぶん」

「たぶんってなに!もう最低!」

「ハハ!」

 そんなたわいのない掛け合いをしながら夕暮れの中、紗代里のアパートへと車を走らせた――。

 俺が大好きなピアニスト――南大寺 茜(なんだいじ あかね)の美しいピアノの音色を聴きながら――――――――――
――――――
――……
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