シャッフル
 待ってくれ……。まだ話したい事がある――。

 聞きたい事も、まだ一杯……一杯あるんだ!

 ガシッ――!

「え?」

 驚いた彼女が振り返って俺を見る。

 ハッと気がつくと、彼女の右腕を掴んでいた。

 驚いた顔で彼女が俺に訊ねる。

「なに……?」

「あ……いや……」

 自分でも咄嗟の行動で言葉が思うように出ない。

 掴んでいた手をゆっくり離していく。 

「また……会える?君の話が……聞きたいんだ」

「……」

 彼女は少し目を伏せる。

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