つぼみ、ほころぶ
「……、パンツ?」


「オレが着せたのは浴衣だけだ」


そして一瞬で理解する。


「っ!?」


告げられてからようやく下半身が妙に風通しがいいことに気づくなんてっ……。


そっ、そりゃあユウちゃんにそんなことしてもらうのも嫌だけどっ。


「ふしだらな格好に気付いてないみたいだから教えといてやる。ひとりになったら装着しておくこと」


「……っ、あっ……」


「もし普段からそういう主義だったとしても、今晩はやめてくれよ」


「馬鹿っ!! 早くお風呂行ってこいっ! なんなら溺れてろっ! でもあたしは助けてやんないからねっ!」


投げつけた枕は華麗に避けられ、隣の明るい部屋に重い音を立てて不時着した。

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