つぼみ、ほころぶ

ユウちゃんのことなんて分かってる。いつもと同じ、暴君的いじめをしてくるだけなのに。


けど、あたしが分からない。自分が何でそうなったのか分からない。


恋愛、じゃないことは、分かる。


――なら、


あたしはどうして?


性の暴走、若気のナントカ?


怖かったはずだったことなのに?


あんなに、嫌だったことなのに?


「……もうわけ分かんない……気持ち悪い」


……頭、クラクラする。


思考回路も焼き切れたあたしは、そこで意識を手放した。


夢の中で、ユウちゃんの声がしたような気がした。






< 73 / 112 >

この作品をシェア

pagetop