つぼみ、ほころぶ
傍らにあぐらをかいてあたしを見下ろすユウちゃんは、アクション映画の時とは違う汗で額を濡らしてて。


心配をさせてしまったんだと、失態を後悔する。


食事をしてた部屋の隣。ほのかな照明の空間で、あたしは力なく横たわったまま。


けど、そのおかげで、余計なことに割く心は無くなってくれてた。


「ま、オレも少し疲れたし、しばらくしたらそうさせてもらうよ。チイみたいに溺れても情けないからな」


あたしの布団の隣。畳の上に寝転ぼうとしながら、ユウちゃんはそう言った。


あたしを挟んで反対側にある布団には決して寝転ばない。ユウちゃんは普段からそうらしい。寝支度を整えてからじゃないと飛び込めないらしい。
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