つぼみ、ほころぶ
「……あんなに、チイが怖かったことに、たとえこんな状況でも、相手がオレだったらならないって思ってる?」
「思ってないよ」
「っ!? だったら……っ」
「嫌な気持ちがっ!! ――ひとつも湧いてこなかったから」
ユウちゃんが言ってくれたことで、いやらしくて簡単なあたしも許された気がした。
「……っんだよっ…………今、そんなこと言うなよ……」
組み敷いてあたしを間近で見下ろしてたユウちゃんが、まるで力を使い果たしたみたいに、あたしの首元に顔を埋めた。
あたしは、かかる吐息に、心臓が跳ねた。