私のファーストキスもらって下さい。



「おめーさんら、勉強せずにこんなとこで
ぺちゃくちゃお喋りしてていいのかぁ?」


「私達が来て嬉しいくせに。照れちゃって。」



「ま、まぁ嬉しいけどよ。」



私とえみは放課後、久しぶりに行きつけの甘味やさん『すいーと』に来ていた。


たまには息抜きも必要だよね!


それでこの照れてる、頭にタオルを巻いた厳ついお兄さんはと言うと…



「ま、息抜きに俺の顔いつでも見に来いよ!」



「拓さん、どの顔で言ってるの?」


「あ、えみ、もうサービスしてやらん。」


「えー、拓さん超イケメーン!」



伊豆 拓矢(イズ タクヤ)さん。
このお店の店長さんで、パティシエ。


見た目からは想像できないようなメルヘンなお菓子を作るんだよね。


年は確か…いくつだっけ?
27、8って言ってた気がする。


とにかく、美味しいスイーツをいつも私達に食べさせてくれる兄貴的存在。


ちょっと暑苦しい時があるけど、それは内緒。



そんな拓さんは唯一、私の片想いの初恋を知ってる人でもあるんだ。






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