私のファーストキスもらって下さい。





公園へ行くと、2つ置いてあるベンチの1つに座った。




夕暮れ時だから、子どももいなかった。




どこかから煮物の匂いがした。
どこの家の夕飯なんだろー。



うちは何かな。



なんて考えてると、





「鈴ちゃん。」



「誠二くん、おかえりー。」





仕事帰りの誠二くんが歩いてきた。
スーツの上着を肩にかけて、ちょっとお疲れ気味な感じ。




それでもその感じがちょっとセクシーに思える私はキュンキュン。。





「はぁ~、疲れたぁ。」




どっこいしょと親父くさいかけ声と共に私の隣に座った誠二くん。




「お仕事、お疲れ様です。」




「ん、ありがと。」





フッとゆるい笑みで私を見た。
やばい。今の笑顔は反則だよ。
キュンキュンだぁ。。




顔が赤くなってたらやばい。
ちょっと俯くと私は誠二くんに聞いた。





「今日はどうしたの?」




「・・・」





あれ?返事がない??


不思議に思って顔を上げると…




「わぁー、おにゅーのアルバム♪♪」




「今度、貸してあげるってゆってたべ?」





誠二くんがニヤッ笑いながら、いつだったか話していた好きなグループのアルバムを私の顔の前に差し出した。





嬉しくなった私はつい…





「誠二くん、大好きっ♪♪ありがと♪」





な、な、私はなんてことを口走ってるの!?


大好きとか、言っちゃってる!!


口に出してから気付くって、
どんだけ私バカなの~!?



恐る恐る誠二くんを見ると…




「素直でよろしい。」




って優しく笑って頭をポンポンってした。
ホッ。あんまり気にしてないよね?



でも、なんとなくだけでも好きって伝わってたらいいな…なんてね。




それから、二人でしばらく好きな曲はどれとどれでっていう話をした。






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