君のそばにいるだけで。

クラスメイト


チャイムが鳴ると、ハゲの担任が教室に入ってきた。

「今日は、このクラスに入る転校生を紹介する。」

担任が言うと、生徒は皆、騒ぎ始める。

「女!?男!?」

「美女!美女!」

「カッコいい人がいい!」

 騒がしい生徒に先生は、

「静かに!それじゃあ、紹介する。今日からこのクラスメイトの大野純平だ。」

そう言うと、皆の声は静まり、今から来る転校生に期待を膨らませていた。

 希姫も目を輝かせて待っている。

 そして、出てきたのは、見覚えのある顔だった。それは、コンビニで逢った、黒髪の男子だ。

次の瞬間、あたしと純平は目が合い、すぐに視線を床に落とす。

担任が、

「大野は、佐々木優愛の隣の席に座れ。」

あたしは、担任の言葉に目を大きく見開いた。

 純平は、何のためらいもなく、あたしの隣の席に座った。

あたしは、隣にいる純平に戸惑っていると、

「よろしくな!」

と、純平から声をかけてきた。

純平の真っ黒の瞳があたしを見つめる。

あたしはただ、

「うん。」
と、頷くだけだった。

 
< 4 / 7 >

この作品をシェア

pagetop