私のお人形
遠ざかる意識の中で、私は生まれてくることができなかったセーラのことを考えていた。



ママに抱かれることもなく、殺されてしまった命。

どんなにさびしかっただろう。

どんなに失望しただろう。

かわいそうに…。

かわいそうなセーラ。



一瞬、セーラの指先の力が抜け落ちた。

最後の最後でセーラの決意は鈍ったのだろうか。




「何してるんだ、セーラ!」
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