鉄の救世主Ⅳ(くろがねのメシアⅣ)
「恐らく、この街にもう人間の生存者はいない。住民がナノマシン兵器を投与された事で改造されたディアボか、中東某国軍のディアボの残党か…とにかくディアボの方が圧倒的に多いという事だ」

下手をすると、もうサンダース分隊しか人間はいないかもしれない。

ジェフが言いたいのはそういう事だった。

「救護ヘリを呼んだ所で、さっきの撃墜されたヘリの二の舞になるかもしれない…自力で脱出するのが一番安全だな」

ジェフの言葉に、マットとコートニーが頷く。

「よし、そうと決まればここから移動する。ポイントマン先導隊形」

ジェフが指示したのは、分隊員が一列になって進むフォーメーションだった。

本来は二名のポイントマンが先導・支援を繰り返し、交互に前進、お互いに前方全域を警戒範囲とし、分隊長がは分隊統制及び両側面警戒、テールガンは後方警戒に当たるという四人一組の部隊のフォーメーションだ。

少人数でも分隊の360度警戒は変わらず、各員の警戒範囲が広がるだけである。

サンダース分隊は三人の為、マットがポイントマンで先導、ジェフが二番手、テールガンのコートニーと続く。

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