鉄の救世主Ⅳ(くろがねのメシアⅣ)
事実、地上にはもうディアボの姿は見受けられなかった。

3千度もの高温の中では、如何にディアボといえど消し飛ばされてしまったのか。

とはいえ、その代償は大きかった。

「街ひとつと引き換えか…」

まだ燻る建物を見ながら、マットが歯噛みする。

こうまでしないと、敵を殲滅する事が出来ないのか。

これが戦争というものなのか。

如何に敵を殲滅できても、その後の一般市民の生活はどうなる?

家や財産を失った者達の暮らしはどうなる?

その事を思うと、ディアボを制圧できたからと手放しでは喜べない。

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