鉄の救世主Ⅳ(くろがねのメシアⅣ)
今なんだ
小川が司令部に、救護ヘリの要請を始めてから五分が経過した。

三浦とマットは建物の屋上から、赤の広場中央付近に墜落しているブラックホークヘリを監視している。

「どうだ、マット」

「…まずいな」

双眼鏡を覗き込みながら、マットが呟く。

「麗華とコートニーが意識を取り戻した」

それはともすれば、生存が確認された、朗報のように思える。

しかし、目を覚ました時に自分達が亡者の群れの真っ只中にいたとしたらどうだろう?

大抵の人間はパニックに陥る。

パニックに陥った人間…特に女性は、悲鳴を上げてしまうものだ。

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