鉄の救世主Ⅳ(くろがねのメシアⅣ)
そんな中。

「すみません、小川分隊長」

谷口が詫びた。

「割り切れなかった…敵として冷静に戦えるつもりだったのに…李の…昔の親友の顔を見た途端に…」

拳を握り締める谷口。

「当然だ」

彼を責める事なく、小川は言う。

「人間である以上、情が通い、迷いも出る。躊躇なく奴を撃っていたら、お前も人民軍の連中と同じという事になる」

小川は愛銃の残弾を確認しながら続ける。

「俺達は兵士だが殺し屋じゃない…」

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