鉄の救世主Ⅳ(くろがねのメシアⅣ)
死なせない、絶対
洞窟に身を潜めて、30分が経過した。

「っ…っっ…」

三浦の呼吸は、落ち着いていた。

いや、これは落ち着いたというべきではないかもしれない。

『弱まっていた』。

体温も心なしか低下しているようだし、脈も少しずつ弱まっている。

「小川分隊長、三浦君がっ!」

彼を膝枕のまま抱き締めていた麗華が、泣きつくように声を上げる。

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