鉄の救世主Ⅳ(くろがねのメシアⅣ)
そんな谷口に。

「…谷口君もまた戻るの?」

豊田が歩み寄ってくる。

「…まだ仲間が戦っている。俺だけゆっくり休む訳にはいかない」

呟く谷口の顔の傷は、まだ先程縫合を終えたばかりだった。

任務の途中で傷が開くかもしれない。

安静にしておかなければならない時だ。

しかし。

「俺は三浦のように、撃たれて重傷な訳じゃない…この程度で休んでたら、三浦に笑われる」

弾薬ポーチにも入るだけの弾倉を押し込み、谷口は89式小銃を手に取る。

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