蝶々
「まぁ、まだ決めなくてもいいんじゃないの?1年だし。」

『うん、確かにそうなんだけどね。でも、なんかこう、でっかい夢を持ちたい!』

私は両手を正反対の方向に広げた。

「でっかい夢?」

二度ため息をついた友達が、私の真似をして手を広げた。

『アーティストとか、探偵とか、女優とかさ。』

「ふーん…その中で小夏のやりたいことはないの?」

『ないからどうしようって言ってるの!』

「あ、そっか。」と由美は笑った。

由美には、【教師になる】という夢がある。中学の時の先生に影響をうけて、教師になろうと思ったらしい。

由美と出会ったのは高校の入学式だけど、妙に気があって今では1番の親友。

しっかり者だけど天然なとこもあって、でもやっぱりしっかりしてて。

類は友を呼ぶっていう言葉は嘘なんじゃないかと思うくらい、私とは正反対だった。

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