歌姫桜華


 あ。いいこと思いついた!




 お弁当を食べ終わり、もうすぐ午後の部が始まる。



「…あれ?行かないの?美藍」



 寮に向かう私を見て、昂が首を傾げながら言った。


「え、あ、うん。ちょっと忘れ物に気づいて」


「そっか。じゃあ、待ってるな!」


「うん!」


 さて。私も急いで寮に戻らないきゃ!!




 本気で走って、寮に向かった。




 ――――505号室についた。


 午後の部、選抜リレーしか出ないし、


 和也はアンカーだけど、私は一番始めだし……気づかないよね。



 フッフッと企んだ笑みをこぼしながら、私は着替えた。



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