歌姫桜華


 教室の中は、ギャーギャーうるさい。


 町村さ…先生が、入ると途端にシーンとなった。



 どんだけ恐れられてるんだ…町村先生は。




「転校生を紹介する。入ってくれ」




 HRの途中だったのかな?


 時間とか気にしてなかったから、今何時かわかんないや。



 私はそんなどうでもいいことを考えながら、教室に入った。


 長い黒髪が窓から入ってくる風によって、乱れる。




「自己紹介してください」



 教室にいるやつらは、「え!?センセーが敬語!?」なんて驚いている。




「伊島 美藍…です。よろしく」



 手短に私は自己紹介をした。

「席は、窓側の一番後ろだ」

 と、町村先生が指差しながら言った。

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