歌姫桜華


「……お取り込み中悪いけど、教えてくれるかな?」


 紺がニコニコ笑顔で言った。



 背後から殺気が出てる。



 その殺気で、美橙が「は、はいっ」と抱きしめていた腕を放し、

 言った。




「美藍は…俺の姉ちゃんです」




「それは会話聞いてたら、なんとなくわかった」


 昂が美橙を見ながら言う。


「そういえば、美橙…お前、前、なんか調べてたよな?それって…」


「姉ちゃんの居場所を調べてました」


 和也の質問に、美橙が答えた。



「…でも、なんで姉ちゃんがここに?」



 私は涙を拭い、美橙の質問に答えた。


「連れてこられた」


「…え!?」

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