歌姫桜華
「今の、ホント?」
「ほ、ホントに決まってんじゃん!
これで嘘とか言ったら、……私最低じゃん」
パッと目を開けて咲久の顔を見てそう言ったとき、咲久の顔は林檎みたいに赤かった。
「……ホント、だよね」
「だからさっきからそうだって――――――……さ、咲久??」
気が付けば、強くそれでも優しく、抱きしめられていた。
咲久の胸の中にすっぽりと収まった私は、「…え、あの…」とこの状況についていけてなかった。