歌姫桜華





「痛いわよっ!離してちょうだい!」



「離したら、ついてきてくれる?」



「そんなの、ついてくわけないでしょ!?」





 そう言うと、さらに強く腕を握られて「痛…」と片目をつぶり呟く。




 なんなのよ、全く…!気持ち悪いわよ。


 でも、振りほどけないし…力強いし…。






 ―――誰か助けて!!!






「髪サラサラだな」

「肌すべすべなんだけど」



 気持ち悪い手つきで、私の自慢の焦げ茶色の長い髪や肌を触ってくる。





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