歌姫桜華






「結構楽しかったぜ、逢恋お嬢様のボディーガード♪」



「楽しいって…あなたね………」





 呆れながら言ったけど、内心嬉しかった。楽しかったんだ、私と一緒にいて楽しいって思ってくれてたんだ。





「じゃあまだ続ける?」


「あー、それは勘弁。身体がもたねぇよ」


「フフッ、そうね」








 これで終わり。きっと、この屋上を出た瞬間、彼はもうボディーガードじゃなくなる。




 私は「好き」って伝えられずに、後悔するの?




 それは嫌…!絶対に。


 後悔なんて言葉、私に似合わないわ。







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